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2007年11月11日 (日曜日)

【マンガ】天才バカボンTHE BEST

 アニメではなく、マンガの話題。先日、

「天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボンTHE BEST 講談社版」
「天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボンTHE BEST 小学館版」

 を入手した。かなり凝った企画で、別出版社から発売された本なのに装丁が合わせてある(下の画像を参照)。並べると、表紙で「講談社版」と「小学館版」のバカボンパパがケンカをしているかたちになる。帯では「講談社版」で本官さんが「『天才バカボン』窃盗罪でタイホする! 小学館!!」と言い、それに対して「小学館版」の帯ではレレレのおじさんが「レレレのレ? なんですか? 講談社!!」と返している。ところが裏表紙では、二人のパカボンパパが仲直りして握手をしているという趣向だ。

 両単行本とも、コラム類が充実。僕は[Amazon]で買ったのだけど、売れているようで、すでに2刷。

 「マガジン」で連載されていた「天才バカボン」が、一時期「サンデー」に移籍した事があり、「小学館版」にはその時期の原稿を収録している。表紙のバカボンパパ同士のケンカや、「窃盗罪」のセリフは「天才バカボン」が「サンデー」に移籍した事件(マガジンとサンデーが対立したであろうという事)をパロディ化したものであるわけだ。

 「講談社版」には「マガジン」五十嵐隆夫記者(当時)による手記で「バカボン」が「サンデー」に移籍した経緯や憤りが書かれている(それよりも五十嵐記者から見た、「サンデー」武井俊樹記者(当時)の振る舞いの方が面白い)。
 一方「小学館版」には武井記者の手記があり、武井記者が五十嵐記者について書いている(武井記者の原稿では、最初の赤塚不二夫に対する記述がなかなか深い)。
 当時の小学館版と講談社の、実際の関係がどのようなものだったかは知らないが、この単行本の出版が「バカボン」史に残る出来事であるのは間違いないだろう。
 
 掲載作品は「小学館版」は読んだ記憶のあるものが多かった。「本格写真コミック第2弾」と銘打たれた「現金カッパライ作戦」が凄い出来。フィルムストーリーのような構成でとにかく凝っている。コマ割りも大胆。どれだけ手間をかけているんだ。出演者には赤塚不二夫以外に、鳥居一義、長谷邦夫、古谷三敏の姿も。「第2弾」というからには1弾もあったんだろうなあ。
 
 「講談社版」には人気キャラ初登場話、誕生話、単行本未収録話を収録。気になっていた単行本未収録話は「月刊少年マガジン」「ヒーローマガジン」「デラックスボンボン」に掲載されたものだった。「月刊少年マガジン」の4本は、そのうち3本が強烈な実験作。中でも、パパが「ヤンキー烈風隊」の読み過ぎで、顔がヤンキー風になってしまうところから始まる「わしの顔がヤンキーなのだ」が凄まじい。
 
 同時に「天才バカボンのおやじ」1巻、2巻が発売になっている。これは竹書房で文庫サイズ。上記2冊と「天才バカボンのおやじ」2冊が「天才バカボン誕生40周年記念 3社コラボレート出版」の企画なのだそうだ。

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