佐藤順一さんの本を作りましょう
一昨日の取材の後に、佐藤順一さんに「佐藤さんの本をつくりませんか」という話をしました。
本のコンセプトは「追悼本」です。誤解を呼びそうなコンセプトですが、まあ、半分はそのつもりなんです。勿論、佐藤さんはお元気であり、重たい病気にかかっているというような事はないんです。では、何故、追悼本なのか。
先日のイベントも言ったけれど、できる事なら、誰かの追悼本をつくったり、追悼の特集をやったりしたくないんですよ。本だって、特集だって、ご本人がお元気なうちにやった方がいいものができるのは間違いないんです。これもイベントで話したことですが、10年ほど前に小松原一男さんが亡くなった後で、僕はアニメージュで追悼特集の編集を担当しました。その時に、ああ、追悼特集なんてやるもんじゃなあ、特集をやるなら、ご本人が生きているうちにやりたいと思ったんです。それで、今、亡くなられて「ああ、特集をしておけばよかった」と思うのは誰だろうか? と考えて、出崎統監督の記事を企画しました。それがアニメージュで全6回連載した「出崎統伝説」です。
一番最初に、出崎監督に「出崎さんがお元気なうちに、仕事をまとめるような記事をやりたい。たとえば追悼特集のような内容で」とお話ししましたし、出崎さんは笑って、企画に協力してくれました。「出崎統伝説」の連載中に、周囲の方から「出崎さんは元気で現役なのに、まるで過去の人のように扱うのはけしからん」と言われたりもしましたが、やってよかったと思っています。連載が終わった後、出崎監督からお褒めの言葉をいただきました。
話を戻しますが、それと同じ理由で佐藤順一さんの本を作りたいと思います。佐藤さんにも快諾していただきました。企画としてはまだ、思いついきの段階ですが、ここに記しておきます。