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2011/10/01

「この人に話を聞きたい」第百四十六回は大森貴弘監督

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 昨日(平成23年9月30日(金))、アニメージュの「この人に話を聞きたい」で、大森貴弘監督の取材に行ってきた。今までの仕事歴について、監督デビュー作の『赤ちゃんと僕』から近作の『夏目友人帳』や『海月姫』までの作品について、あるいは、どのようなスタンスで作品を手がけているのかをうかがった。大森さんのインタビューは、11月10日発売のアニメージュに掲載される予定だ。

 ちなみに最新作『蛍火の杜へ』は、現在、劇場公開中。

 取材前に、予習として大森監督の作品を何本か観直したのだけれど、そのうちの1本が『恋風』だった。観直したのは本放映以来だったけれど、当時、興味深く観ていた。

 そして、取材時に大森監督は、僕が「WEBアニメスタイル」で『恋風』について書いたのを覚えていると話してくれた。懐かしいので、その時の記事をサルベージすることにしよう。引用元はこちら
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「リアル妹萌えもの」

 (略)

 さて、以下が本題。
 先日、『恋風』の放映が終わった。これは、28歳のちょっとさえないサラリーマンの佐伯耕四郎が、離れて暮らしていた高校生の妹の七夏と同居する事になり、やがて彼女の事を本気で愛するようになる、という筋立ての深夜アニメ。
 いわゆる美少女アニメや萌えアニメが避けてきた、生々しいところに踏み込んだのが新しい。「リアル妹萌えもの」とでも言えばいいのか。本当に兄と妹が互いを好きになったら、こんなに大変な事(笑)になってしまうんだ、というのをやっていて、その生々しさがちゃんとエンターテインメントの中に収まっている。というか、生々しさそのものが面白さになっている。描かれているのは普通の人物、普通の生活ばかりで、それもあって、メイドさんがいっぱい出てくるようなアニメに耐えられない普通の大人が観ても、楽しめる作品になっていたんじゃないかと思う。

 以下、最終回について。ビデオやDVDがリリースされてから観るつもりの人は読みトバすよーに。ラス前を観た時には、どうなるかと思ったけれど、耕四郎と七夏は心中する事もなく、話は綺麗にまとまった。
 遊園地に行った2人は、ふざけて泥で服を汚してしまう。翌朝、耕四郎は風呂に入っていかないかと彼女に言うが、「このままでいい」と言って七夏は帰っていく(この時点で、耕四郎は別居している)。これは、泥でふざけた時の「汚れちゃったね」「ああ、汚れちまったな」という2人のやりとりを受けたもので、兄妹で結ばれてしまい、汚れてしまったけれど、汚れた自分を否定しないでそのまま生きていく、という意味なのだろう。また、2人は毎年、同じ遊園地に遊びに来る事を約束するけれど、劇中でその遊園地が近く閉園される事が提示されている。これは2人の未来が楽しい事ばかりではない事の暗示だ。彼らが閉園の事を知らないのが、痛々しくてちょっとよい。
 単に面白さだけを追求するなら、もっと違ったラストもあったのだろうけど、DVDソフトでのセールスを前提にした作品、つまりある程度のサービスが必要だと考えられるものとしては、これがギリギリなのかもしれない。『恋風』がいわゆる萌えアニメのカテゴリーに入る作品かどうかは分からないけれど、美少女アニメや萌えアニメにもっと可能性があるという事は示しているはずだ。

 それとちょっと話は違うけれど、ふざけた内容の各話予告やサントラCD等の、ジェネオン(旧パイオニアLDC)らしいというか、上田耕行PD作品らしいノリもグッドだった
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