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2012/01/10

芦田さんについて

 明日のイベントでは、僕は聞き手の側にまわるので、芦田さんについて自分が語るタイミングはないかもしれない。僕の芦田さんについての印象をここに書いておく。

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芦田さんについて

 『宇宙戦艦ヤマト』や『サイボーグ009』での仕事にも注目してたけれど、僕が芦田さんのファンになったのは『Dr.スランプ アラレちゃん』だった。芦田さんが描く『アラレちゃん』はとにかく線がシャープであり、それが魅力だった。演出回には傑作が多かったし、作画だけ担当した回でも、洒落の効いた画を描いていた。『アラレちゃん』の少し後、芦田さんはアニメ雑誌でマンガを描いたり、コーナーをもったりするようになった。芦田さんは愉快なパーソナリティーで、読者を楽しませてくれていた。アニメ雑誌上の芦田さんは、『アラレちゃん』のイメージとシンクロしていた。
 僕が、芦田さんと初めて会ったのは『アイドル伝説えり子』の時だったはすだ。アニメージュの仕事で、スタジオライブに行ってお話をうかがった。その時の芦田さんは、アニメ雑誌で慣れ親しんでいたイメージとは全く違っていて、非常に生真面目な方という印象だった。僕がある質問をした時に「今は(うちの会社は)そんな事をやっている場合じゃないんだよ」とピシャリと言われたのが忘れられない。その前後に、あるプロデューサーの方と芦田さんについて話をしたところ「彼は本当はマジメでシャイな人だから、アニメ雑誌では逆にはしゃいでいるんだよ」と教えられて、なるほどなあと思った。
 『えり子』から20年以上経った。芦田さんと密なかたちで仕事をすることはなかった。数年に一度くらいのペースでなにかの用事で会って、世間話をする。そのくらいの関係だった。密な関係にはならなかったが、芦田さんがアニメ誌で見せていたような愉快な一面も、やはり芦田さんの素顔であるのが分かった。周囲の方から、マンガのようなエピソードをいくつも聞かせてもらった。プロデューサーの方がおっしゃっていたように、シャイな方であるのも間違いなかった。「この人に話を聞きたい」に登場していただいた時にも「(リードの文章で自分の事を)あまりかっこよく書かないでね」とおっしゃていた。
 前にも書いたけれど、近年の芦田さんは、アニメ界のために積極的に動いていた。一昨年の事だったと思う。とあるベテランアニメーターが自分の仕事を本にまとめたいと考えており、僕にその事を話してくれた。それは企画として商業出版では難しいものであり、僕は芦田さんに相談した。芦田さんは、ご自身の仕事も忙しい時期であったのに、そのベテランアニメーターの方のために動いてくださった。諸般の事情でその本はかたちはならなかったけれど、ベテランアニメーターの方は、芦田さんに感謝されていた。
 ベテランのスタッフの方が相次いで亡くなれている。それについて僕達はどう接すればいいのか。その事について芦田さんと話をした事があった。結論は出なかったが、それとは別に「芦田さんの追悼本は、芦田さんがご存命のうちに作りましょう。生きているうちに作ればどんな画を載せるが自分で選べますよ」と提案したところ、芦田さんは快諾してくださった。「それははいい」と言って笑っていた。僕は本当に、その本を作りつもりだったのだけど、実際の作業に入る前に、芦田さんの周辺が慌ただしくなり、その後に入院されてしまった。「今まで仕事をまとめた本を」なんて言える状態ではなくなってしまった。
 僕にとって芦田さんは、今でも生真面目でシャイで、そして、業界に対して真摯に活動されている方という印象が強い。実際に一緒に仕事をされていた方としてはどうなのだろうか。明日のイベントでは、出演者の方達にそのあたりについてうかがいたいと思っている。

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